セカンド レディー
入ってきたのは、夜中に街であった男。
名前は確か……無神って人だ。
「お前、昨日の…」
男は、あたしを見ると、顔を顰めた。
「恭平、部外者をここに入れんな」
部外者ってあたしのこと?
何それ…。
ここは元々、あたしの場所なんだけど?
「わりぃ、柚姫。そういう事だから」
恭平くんは、申し訳なさそうにあたしを見上げる。
ふざけんじゃねぇぞ。
治まっていた怒りが、再び込み上げてくる。
あー、マジムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく。
叫びたいところを必死に堪え、心の中で呪文のように唱える。
恭平くんだけならまだしも、同じ部屋に別の男がいる限り、あたしは自分を演じなければいけない。
それがどれほどのストレスか、男たちは知る由もないんだろうけど。