セカンド レディー
「やっと見つけた」
突然聞こえた、飽きれた低い声。
振り返ると、そこにはさっきまで一緒にいた人が立っていた。
いや、一緒にいたという表現はなんだか違う。
「おい、マジかよ…」
「なんで、流牙さんが…」
纏ったオーラは黒とは言えず、威圧感も感じさせない。むしろ、だるそう。そんな緩い空気にも関わらず、目の前の男たちはたじろいだ。
「お、俺らが悪かった…。頼む、許してくれ…。まさか、流牙さんの女だとは知らなかったんだ…!」
何を勘違いしているのか知らないけど、あたしはこの男の女になったつもりはないし、なるつもりもない。
そう心の中で突っ込んだけど、今はそんなことどうでもよかった…。