セカンド レディー
なにここ。
優しくて、温かくて、ふわふわしてる。
お布団の中かな?
柔軟剤のふんわりした香りに、微かに混ざるタバコの臭い。
あたし、あの後どうなったのかな…?
意識を失ったところまでは覚えている。
その後は……。
「…ん」
重たいまぶたをあげると、目を覚ますには優しい、光のない薄暗い景色が視界に拡がった。
「あ、起きた」
隣からは、もう何回も聞いた低い声。
体を起こし、彼の方を見ると目が合った。
「…ここどこ?」
馬鹿みたいな広さを持ち、家具も壁紙もほとんどが黒で統一されたシンプルな部屋。
「俺の部屋」
…は?
この人今なんて言った?
確かに"俺の部屋"っていったよね?
ということは、ここはこの男の家ってこと?