セカンド レディー
もう知らない。
こんなところさっさと出ていってやる。
ガチャっと音と共に、部屋の扉を開けると、そこは廊下なんてものじゃなく、別の部屋に繋がっていた。
しかもそこに居たのは、あたしが1番会いたくない人たち。
そのうち1人は、あたしの方に視線を向けると、鋭い目付きで睨んできた。まるで、人1人殺せそうなほど殺気立てた瞳だ。
「なんで、お前がここにいんだよ」
ドスの効いた低い声。
騙された…いや違う。
はめられた?
これも違う。
今のこの状況に似合う言葉が思い浮かばない。ただ、あたしがここにいるべき人間じゃないってことは察した。
だって、恐らくここは────
…霜華の倉庫なのだから。