セカンド レディー

「あーあ、だから『待て』って言ったのに」




後ろから面倒くさそうに呟く彼を睨みつける。


今すぐぶん殴ってやりたい。


部外者が入っていい場所じゃないことくらいあたしでも分かる。

それなのに、よりにもよってここの人間が入れるってどういうこと?

こうなることぐらい、容易に想像出来たでしょ?




「おい、流牙!なんで、よりにもよってこの女がいるんだよ!?しかも、総長室から…。いつの間に連れ込んだ!?」


「うるせぇよ。お前らが空き教室片付けてた時ぐらいじゃねぇの?」


「は?お前ふざけんなよ!」



何やら言い合いを始めた2人。


あのさ、すごーくめんどくさい事になりそうだから、あたしもう帰っていい??



壁にかけられた時計を見ると5時過ぎ。


さすがに繁華街に行くにはまだ早い。だけど、一度アパートに戻りたいし、なにかお腹に入れたい。


とにかく、さっさとこんな場所出たい。



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