セカンド レディー
「それでお前ら、ヤッたのか??そうなんだろ!?」
話に耳を向けていなかったから、どこからそんな話になったのかは分からない。
ただ、明らかに話がズレている。
しかも、まだなんか怒ってるし。
「おい、女」
そして、その怒りはあたしに向けられた。
めんどくさいなぁ。
「なぁに?」
甘い猫なで声と共に、少し微笑んで首を傾げる。
「…やっぱり可愛い」
…へ?
赤く染った顔を、片手で覆い隠すと、斜め下に視線を移した。
さっきまで怒っていた人が、なんで照れてんの?
「なに本気にしてんだよ」
「は?してねぇよ!アレだろ、営業スマイルってやつ!!俺は騙されねぇ。しかも、俺はこいつの本性知ってっから!!!」
…は?
本性ってなに?
しかも、こいつ呼ばわりされたの、地味にイラつくんですけど。