セカンド レディー

こんな時でも忘れたらいけないのが、あたしたちのカンケーは、純粋なものでは無いということ。


どれだけ甘い言葉を与えられようと、

どれだけ激しいキスをしようと、

どれだけ同じ夜を過ごそうと、


あたしたちがひとつになることは無い。



*



…ピロン


突然、音を鳴らしたのは紛れもない彼のスマホ。

音くらい消しとけよ…。

そんなことを思っても、この男がそんな気の利いたことできるはずない。


あたしの上から退けると、スマホを手にする。

多分、メッセージだろう。

何度か、画面をタップすると、


「わりぃ、用事できた」


と、ベッドから出てしまった。
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