セカンド レディー
「これが"あの"如月柚姫ちゃんの本性ってわけか。なんか残念〜」
「悪いんだけど、ここ俺たちの場所なのよ。部外者は出て行ってもらえませんか?」
口角を上げてにっと笑う男。だけど、目は1ミリも笑っていない。
黒く纏われたオーラは、おそらくあたしへの殺気だろう。
「…チッ。
こんなくだらない集まり、さっさと無くなればいいのに」
男の横を通る時、ボソッと呟く。
こいつらと関わるとろくなことがない。
「ちょっと待て」
ドアに手をかけた時、さっきの男に呼び止められた。
出て行けって言ったかと思えば、今度は待てだって。
…自分勝手なヤツら。
「今なんつった?」
さっきとは違うオーラ。
「なにも?」
いつも通り平静を装う。
だけどね、あたしも今は余裕がないの。いつも通り仮面を被って愛想振りまいて、にこにこ笑っていられるほど、機嫌よくないの。