セカンド レディー



「…で、ここに来たわけ?俺次授業なんだけど」


「そんなことより、髪乾かすからドライヤー借して」



空き教室を出ると、来たのは化学準備室。
空き教室が使えなくなった今、ここがあたしの新しいサボり場所になろうとしている。



「アイツら絶対許さないっ!あたしにこんなことしてただで済むと思うなよ…」


「だからって霜華を敵に回すのはダメだろ…」


「けいちゃんはあたしが悪いって言いたいの!?元をたどれば、アイツらが余計なことしたせいでしょ!」




あたしは、霜華の姫になったつもりもなるつもりもない。それなのに、いい加減なこと言いやがって。



なんであんなヤツらが慕われ、学校中の人気者なのか全く分からない。


確かに顔はいいよ。けど、見た目だけじゃん、中身クズじゃん。



それなのに……。

この学校にはバカしかいないわけ?



「柚姫が悪いなんて言ってないじゃん。着替え、Tシャツでもいい?」


「なんでもいい」


「じゃ、ここに置いとくから。髪の毛乾いたら授業戻れよ」


そう言うとけいちゃんは、机の上にドライヤーと黒のTシャツを置いて授業に向かった。

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