セカンド レディー
「お前さ、いい加減こんな生活やめろ。16歳なら養護施設だって…「バカじゃないの?」」
声のトーンを一気に下げる。
あたしだってバカじゃない。教師、近所の大人、警察に何度も助けを求めた。それなのに、誰一人としてあたし"たち"を助けてくれなかった。
そんな大人に、また助けを求めろと言うの?どーせ、見捨てられるのがオチよ…。
「あたしは、誰かを利用しても助けを求めるようなことはしない」
女は1人でも強いのよ。
あたしは、自分の力で生きていく。
そのために都合のいい男たちを利用してきたの。
*
「いた!柚姫ちゃん!」
化学準備室を出て廊下を歩いていると、後ろから明るい声に呼ばれた。
この声、知ってる…。
振り返るとあの金髪男。
「なぁに?」
吐き気がするほどの甘ったるい声。