セカンド レディー

「お前さ、いい加減こんな生活やめろ。16歳なら養護施設だって…「バカじゃないの?」」


声のトーンを一気に下げる。


あたしだってバカじゃない。教師、近所の大人、警察に何度も助けを求めた。それなのに、誰一人としてあたし"たち"を助けてくれなかった。


そんな大人に、また助けを求めろと言うの?どーせ、見捨てられるのがオチよ…。



「あたしは、誰かを利用しても助けを求めるようなことはしない」


女は1人でも強いのよ。

あたしは、自分の力で生きていく。


そのために都合のいい男たちを利用してきたの。








「いた!柚姫ちゃん!」



化学準備室を出て廊下を歩いていると、後ろから明るい声に呼ばれた。


この声、知ってる…。


振り返るとあの金髪男。




「なぁに?」



吐き気がするほどの甘ったるい声。

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