セカンド レディー
「彼女?」
からかいを混じえて訊いてみる。
だけど、素っ気なく「内緒」とだけしか返してくれなかった。
「ふーん」
聞いといてなんだけど、あまり興味はない。
こういうことなんかしょっちゅうあるもん。
「柚姫は寝てていいよ。鍵玄関に置いとくから、帰る時ポスト入れといて」
「はーい。
起きたらテキトーに帰るね〜」
ベッドの上に寝転んだまま、手を振る。
別に、期待していたわけじゃないからなんとも思わない。
自分から誘っておいて、朝までいてくれない。
男なんて皆同じ。
いつだってあたしは、夜だけの女。
本命の女に呼ばれたらそっちに行く。
あたしはそのコに呼ばれるまでの繋ぎ。
彼が出ていったのを確認すると、ベッドの下に転がっている下着をつけ、鞄からテキトーに服を取り出す。
コテで乱れた髪を整え、化粧もバッチリなおすと、彼の部屋を後にした。