セカンド レディー

「その喋り方やめろ。吐き気がする」



ドスを効かせた低い声。

それだけで人一人殺せそうだ。



「用件、早く言って?」


背もたれに寄り掛かり足を組む。

声のトーンも下げ、表情も消す。



その変わりっぷりに驚く人もいるけれど、さすがと言うべきか、目の前の男は動じない。



「仲間になれ」


変わらない、低い声で一言。


「…は?」


その言葉に、思わず素の声が出るあたし。


今、なんて言った…?


確か、

『仲間になれ』


って、言ったよね?

< 71 / 297 >

この作品をシェア

pagetop