セカンド レディー
「その喋り方やめろ。吐き気がする」
ドスを効かせた低い声。
それだけで人一人殺せそうだ。
「用件、早く言って?」
背もたれに寄り掛かり足を組む。
声のトーンも下げ、表情も消す。
その変わりっぷりに驚く人もいるけれど、さすがと言うべきか、目の前の男は動じない。
「仲間になれ」
変わらない、低い声で一言。
「…は?」
その言葉に、思わず素の声が出るあたし。
今、なんて言った…?
確か、
『仲間になれ』
って、言ったよね?