セカンド レディー
午前0時過ぎ、
あたしが向かうのは夜の街。
真夜中にも関わらず、キラキラ光るネオンに包まれたこの場所で活動する夜の住人。
一度この場所に踏み込んでしまったら二度と元の世界には戻れない。
まるで、蟻地獄のように…。
この街でなにかをするわけではない。
ただ、ネオンが灯る街を歩くだけ。
それだけで十分。
だって、ほら…────。
「ねぇね、お姉さん。こんな時間に何してるの?」
野獣は簡単に寄ってくるのだから。