セカンド レディー

「ん〜?ただの暇つぶし、かなぁ?」


ここの街で活動する住人の考えなんてみんな同じ。


この男も


他の男も



そして……



あたし自身も。



「暇なら、どう?」


あたしの考えなんて手に取るように分かるはずなのに、あえて訊いてくる。


だからこっちも、


「え〜、どうしようかなぁ?」



なぁんて、あえて、悩む"フリ"をする。


「そんなこと言って。その気があるからこんなところにいるんじゃねぇの?」


フッと笑う目の前の男。

それを言われてしまえば、何も言い返せない。

確かに、こんな真夜中に1人でいるのは、"そういうこと"だと言っているのと同じ。



「ん?なんのことかなぁ?」


だけど、ここで肯定はしない。

援交目的とか思われると、めんどくさいだけだもの。
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