犬猫ポリスの恋日常

夏祭りの会場は、時間と共に人だかり大きくなっていった。

秋人の姿をちゃんと追いかけていないとあっという間にはぐれてしまう。

「あ、秋く……」

千歩は彼の名前を呼びながら懸命に手を伸ばした。

「千歩、こっち」

秋人の手が千歩の手をガッシリ掴んで離さない。

肩を抱いて引き寄せられると、「迷子の子猫ちゃんじゃなくて、子犬ちゃんになるぞ」と笑った。

いつまで経っても子ども扱い。

ふくれっ面の千歩の視線に射的屋がとまる。

「秋君、アレしよう!」

射撃訓練のリベンジだ。

千歩の腕がなる。

「いいだろう」

珍しく秋人も乗り気で、射的屋のおやじにお金を払った。
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