犬猫ポリスの恋日常
その時、秋人の母親が背後から彼の肩を優しく叩いて呼んだ。
「秋人、お茶の葉が切れちゃったみたいだから買いにいってくるわね。お父さんたちの事、頼んでもいいかしら?」
「お茶の葉なら俺が買いに行く」
「でも、主役がいなくちゃ場が締まらないでしょ……」
「問題無いだろ。現に俺の事そっちのけで飲んでるし。夜道は物騒だし、こんな時くらい警察使ったら?」
秋人の説得に彼の母は渋々納得して「なら……お願いね」と財布を渡した。
「じゃあ、行ってくる」
秋人が席を立つと、千歩も慌てて立ち上がり「私も一緒に行く」と続いて席を立った。