犬猫ポリスの恋日常

「“エリート刑事 猫島 秋人と交際中”。これが千歩にかけられている容疑。朝から若い子たちがザワザワしてたでしょ。気付かなかった?」

「なんとなく気付いてたけど……」

「それで、真相はどうなの?猫島さんと付き合ってるの?」

麻衣子は千歩の恋バナに興味深々で、軽く身を乗り出して尋ねてくる。

秋人との関係を特別隠していたわけではないけれど、NY帰りのエリート刑事が恋人だと分かればこうなる事が予想できたから誰にも言わなかった。

しかし、親しい同僚である麻衣子にくらい言っておいてもよかったのかもしれないと、千歩は今さらながら思っていた。

「……ねぇ、カツ丼食べていい?そしたら、言うよ」

千歩はカツ丼が入っている丼ぶりをジーッと見つめて問う。

このままではせっかくのカツ丼が冷めてしまうし、なにより空腹を我慢している千歩の身がもたない。
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