犬猫ポリスの恋日常
「カツ丼だ」
千歩の父親は真顔で答えた。
無表情でどこまでツッコんでいいのか分からず、二人は黙りこくってしまう。
その時、秋人の父親が何の前触れもなくソファーテーブルを両手でバンッと強く叩いた。
突然の事に驚いた千歩の肩がビクッと震える。
「いつからなんだ……。お前たちはいつから付き合っているんだ!嘘を付くと為にならんぞ!」
秋人の父親は声を荒げた。
いつもの品良く温厚な彼らしくない行動だった。
「いつからって、俺がNY市警へ行く前からですが」
秋人は淡々と答える。
そんなに必死に尋ねなくても隠し立てするつもりなど微塵も無いのに。
秋人の返答には父親二人も「そうか」と素直に頷く。
そして、再び秋人の父親がバンッとソファーテーブルを叩く。
「結婚するのか!正直に答えろ!」