恋しくば
同じ学科の篠根先輩。酒が入っているらしく、声が大きい。
「いや、未成年なんで」
「あ、そっか! おお辻本、あっちで皆お前の話してたぞ!」
標的があたしから辻本へと移る。辻本は皿を持ったまま視線を上げた。
「そうですか、後でいきます」
「おー! 葛野、お前もっと食べろよ!」
と言って、他のテーブルに残っていた揚げ物とメニューを持ってきてくれた。
それから立って違うテーブルへ絡みにいく。
あたしは揚げ物を食べつつ、メニューを広げた。美味しいけれど居酒屋だから少し塩分高め。
他に何か無いかと視線を走らせる。