恋しくば
弟とは趣味嗜好が結構似ている。そういえば、どちらもビャッコが好きだったっけ。
「分かってるよ、大丈夫」
自分が思ったよりも穏やかな声がでた。電話の向こうの弟が黙る。
「とりあえず、お母さんによろしく」
『ん、はーい』
電話を切ってふと気づく。
部屋、暗い。
学生ラウンジで終わりそうにないレポートと格闘していた。いや、格闘しているのはレポートとではなくて、眠気と。
頬杖をついてると、瞼がおりてくる。まずい。
今日に限って百鳥は彼氏とデートに行ってしまうし、上羽も友人とご飯に行ってしまったし。