恋しくば
食パンにレタスと卵を挟んだものを一人で齧っていると、窓の外遠くに辻本が同じ学部の友人と思われる数人と歩いているのが見えた。
辻本にも友達いるのか……当たり前か。
いつも上羽といることが多いから、あんまり同じ学部に友達とかいないと思ってた。
……今いないのあたしの方だけど。
もぐもぐと咀嚼して、それから目を逸らす。とりあえずこのレポートを終えたら家に帰って眠ろう。今日はバイトがない。
家じゃ眠ってしまうから、と大学に来たのに、このままでは意味がない。
どうにかしてキーボードを叩く。図書館から借りた資料の上を目が滑る。