恋しくば

「眠そうだ」

声が降りてきて、顔を上げる。

「あれ、辻本」
「体調悪いのか? 大丈夫か?」
「眠いだけ。そしてレポートが終わらないだけ」
「悠馬と百鳥は?」
「どっちも予定あるんだって。辻本、さっき向こうの方歩いてなかった?」
「葛野の姿が見えたから」

あたしのバッグが置いてあるのとは反対側の椅子に座る。試験前でもないので、学生ラウンジにいる学生は少ない。
辻本は手に持っていた缶コーヒーをこちらに差し出した。

「飲んでくれ」
「ありがと、お金払う」
「いらないから、レポート頑張れ」

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