恋しくば

コーヒーが効いたみたいで、目が冴えてきた。ぐっと伸びをして資料に視線を落とす。

「とても美味しい」
「それは良かった。辻本は今日バイト?」
「今日は無い」
「じゃあデート?」

尋ねながら思った。そういえば今って辻本に彼女はいるのか。
上羽は何も言ってなかったと思うけれど。

「今、彼女いない」
「作らないの?」
「葛野は彼氏作らないのか?」
「やーあたしは彼氏云々の前に、レポート終わらないし、出会いがないし」

お、これ結構良いかもしれない。やっぱり隣で話す人がいる方が眠らない。
完全に辻本を起こし要員としてしまっているけれど。

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