かたむすび
「優葉、一緒に帰ろうぜ」
何事もなかったように蓮は私に声をかけてくる。


「……めて」

「ん?」


「やめてよっ!!」

「一緒に帰る?ふざけないで
蓮はいいかもしれないけど私はよくない
人の彼氏と帰るなんて出来ない
今まで女子から[蓮くんに近づかないで]ってたくさん嫌がらせされたけど親友だから…親友だからって頑張ってきたけどもう無理
もう、やめて」



積もりに積もった気持ちが全部飛び出したみたいに
私は、言おうと思ってもいない言葉が次々に口から出てくる。




「…っ…ごめん」

今さら謝っても遅くて
間に合わなくて


蓮は校舎をでて横断歩道をわたっていた、

「蓮っ…待って」

私はとっさに追いかけた





「待って…蓮の事が好きなの、」
大声で叫んだ

多分、周りの人にも聞こえてると思う。
でもそんなのどうでもよくて
蓮に聞こえていればよくて



私は精一杯叫んだ
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