スーパーガール
しかし周りの友達は、「学くんはおとなしすぎて、奈緒《なお》と全然合わないじゃん」「無理無理、やめたほうがいいよ」と、あきらめさせようとした。口の悪い男子などは、「運動バカの奈緒に迫られて学がビビってる」と、からかってくる。

でも私はどうしても、学くんと仲良くなりたかった。できれば彼女にしてほしい。

確かに、私のアプローチに彼は困惑気味だけど、決して嫌われてはいなかった。その証拠に、夏休みに思い切ってデートに誘ったら、何とOKしてくれたのだ。

私はめいっぱいお洒落して、学くんと電車に乗って遊園地に出かけた。

楽しかった。学校では見られないリラックスした笑顔や、家族やペットの話題など他愛のないおしゃべりに夢中になった。


これはもう、結婚するしかないよね!


と、私は確信する。

幸せで幸せで――でも、そんな幸せ絶頂のタイミングで、あの事件に襲われたのだ。
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