スーパーガール
まさかのお泊り!?
「それでは、帰りましょうか」

「はい」


棚橋さんは帰り支度を始めた。

私もカップを片付けて、更衣室にリュックを取りにいく。事務所に戻ると、棚橋さんが待っていてくれた。

私達が最後なので、戸締りをしてからフロアをあとにする。


(考えてみると、こんな風に二人きりでいるのは初めてだ)


かつてない急接近にドキドキするが、慌てて顔を振った。


(ときめいてる場合じゃない。私のせいで棚橋さんが怪我をしたというのに、何をのんきな)


ビルを出たところで棚橋さんが立ち止まり、こちらに振り向く。

不謹慎な思考を見透かされたのではと緊張するが、彼は別のことを口にした。


「末次さん、一度帰って準備しますか? 明日の着替えとパジャマが必要でしょう。それとも、とりあえず今夜は、着の身着のまま泊まりますか」

「はあ…………えっ?」


今、何と?

よく、わからないことを言われたような。
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