スーパーガール
棚橋さんは、私が買うものすべてをカードで支払ってくれた。私はリュックから財布を出し、お金を返そうとするが、


「言ったでしょう、経費は僕が持つって」


目を逸らし、むこうを向いてしまう。彼らしくもない頑なな態度を見て、これ以上遠慮するのは、かえって失礼かもしれないと感じてきた。

後日、まとめて返すことにする。


「……では、ありがたくいただきます」

「よろしい」


買い物の荷物は私が持った。棚橋さんが持とうとするのを全力で阻止し、奪い取るようにして。


「これは私の仕事ですから」

「でも、重いでしょう」

「全然平気です」


本当に平気だ。この時ばかりは、力持ちと思われても構わないと、開き直ることができた。

しかし棚橋さんは、私が無理をしているように見えるのか、アパートに着くまで心配そうな顔でこちらを窺っていた。
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