スーパーガール
幸せな日々
翌朝、私はアラームが鳴る前に、目を覚ました。


「あれ、ここは……?」


数秒後、ここが自分のアパートではないことを思い出し、跳び起きた。

この部屋は、棚橋さんが倉庫代わりに借りているという502号室。布団の周りに山積みになった本をぼんやり眺めてから、スマートフォンを確かめた。

午前5時45分。カーテン越しに射し込む朝陽が眩しい。


「あ、メールがきてる」


アプリを開くと、棚橋さんの名前が表示される。一瞬、驚くけれど、すぐに思い出す。昨夜、互いのアドレスを登録したのだった。

メールは寝ている間に届いたようだ。


《 おはようございます。僕は毎朝5時半から6時まで公園を散歩します。その間留守にしますが、部屋に入ってもいいですよ 今日もよろしくお願いします 》


「へえ、棚橋さんって早起きなんだ。健康的だなあ」


規則正しい生活ぶりに感心する。それに、今日もよろしくと添えるところが彼らしい。とても律義なメールだ。
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