スーパーガール
ここはどこだろう――

ようやく立ち止まった私は、周りを見回す。

日曜日の昼下がり。家族連れが賑やかに行き交うここは、大型スーパーの中にある『憩いのひろば』だ。

いつ建物に入ったのか記憶がない。

私はとりあえず、空いたベンチに腰かけて息を整えた。


(ばれちゃった……)


ついに、怪力を晒してしまった。

しかも、棚橋さんの目の前で。100kg超の書棚を腕二本で支える私を、彼は呆然と見ていた。

そして、とても怒っていた。


(実は怪力なのがばれた。ということは、筋トレしているのもばれた。それから、空手部のマネージャーだったと嘘をついたことも、芋づる式にばれたに違いない)


ていうか、単純に恥ずかしい。恥ずかしすぎて、涙が出る。

そして悲しい。

彼はもう完璧に、永遠に、私を恋愛対象として見ないだろう。学くんみたいに、遠い人になってしまうのだ。

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