スーパーガール
「そうです、私は自分を偽っていました。本当は筋トレ大好きで、しょっちゅうジムに通ってるし、高校時代は空手部のマネージャーなんかじゃない、バリバリの選手でした。運動バカの怪力女で、読む本といえばスポーツ雑誌にスポーツ漫画。文学を読もうとすると、速攻で寝落ちする始末……っ」


一気に喋ったので、息が乱れる。咳き込む私を彼は心配そうに見守るが、止めはしなかった。


「でも、それを棚橋さんに知られたくなかった……だから、あなたが怪我をしてしまったんです。私があの時、万引犯を捕まえていれば。きちんと締め上げていれば」


もう、言葉を選ぶ余裕などない。どうせ失恋するなら、ありのままを伝えたかった。


「末次さん。なぜ僕に知られたくなかったんですか。本当のきみを」

「……それはっ」


言いかけて、さすがに口ごもる。ありのままといっても、告白する勇気はない。

どうせ振られるんだし――
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