スーパーガール
「いやでも、末次さんが幸せになってくれて良かったよ、ホント」

「……えっ?」

「俺のことがトラウマだったなんて……まじめに、悪かった」


伏目がちにすると、やっぱり学くんだ。彼の繊細な心は、変わっていない。


「もういいってば。結果オーライだよ」

「あたっ!」


背中を思いきり叩くと、のけぞった。


「あのなあ、少しは手加減してくれよ。背骨が折れたらどうしてくれる」

「折れない、折れない。鋼鉄の体でしょ」

「何だ、そりゃ」


もう一度笑い合ってから、私はベンチを立つ。棚橋さんとの、約束の時間だ。


「これからデート?」

「うん。じゃあ、またバイトの日にね」


畑山くんに手を振り、スポーツショップをあとにした。

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