スーパーガール
アイデンティティ
仕事を終えて建物から出ると、ムッとする暑さに襲われた。
昼間の熱気がビルの壁やアスファルトに蓄えられ、夜になっても気温が下がらないのだ。
暑さに喘ぎ、ショートボブの前髪をかき上げた。
「暑い~。一日中涼しい事務所にいたから、余計にこたえるよ」
リュックを負う背中に汗がにじむ。今日から八月。本格的な夏に突入したのを実感する。
大学が夏休みに入ったので、平日も働くようになった。土日を含めて週5日の勤務である。仕事は忙しいけれど、バイト代が増えて助かるし、毎日のように棚橋さんに会えるのが嬉しい。
「なあんてね。うふふ……」
一人で照れ笑いする私を、通行人が訝しそうに見ていく。
「いけない、いけない。気を引きしめなくちゃ」
火照る顔を俯かせ、早足で歩き出した。
今日はこれから、駅近くのスポーツジムでトレーニングする。ゆるい気持ちで取り組んで、怪我でもしたら大変だ。バイトに差し障っては元も子もない。
勤務時間が増えたので、今後は事務仕事のほか、売り場の作業も手伝ってもらうと人事の人に言われている。
「よーし、モチベ上がってきた。体調を万全にして、棚橋さんの期待に応えるぞ!」
やる気をみなぎらせ、スポーツジムへと足を進めた。
昼間の熱気がビルの壁やアスファルトに蓄えられ、夜になっても気温が下がらないのだ。
暑さに喘ぎ、ショートボブの前髪をかき上げた。
「暑い~。一日中涼しい事務所にいたから、余計にこたえるよ」
リュックを負う背中に汗がにじむ。今日から八月。本格的な夏に突入したのを実感する。
大学が夏休みに入ったので、平日も働くようになった。土日を含めて週5日の勤務である。仕事は忙しいけれど、バイト代が増えて助かるし、毎日のように棚橋さんに会えるのが嬉しい。
「なあんてね。うふふ……」
一人で照れ笑いする私を、通行人が訝しそうに見ていく。
「いけない、いけない。気を引きしめなくちゃ」
火照る顔を俯かせ、早足で歩き出した。
今日はこれから、駅近くのスポーツジムでトレーニングする。ゆるい気持ちで取り組んで、怪我でもしたら大変だ。バイトに差し障っては元も子もない。
勤務時間が増えたので、今後は事務仕事のほか、売り場の作業も手伝ってもらうと人事の人に言われている。
「よーし、モチベ上がってきた。体調を万全にして、棚橋さんの期待に応えるぞ!」
やる気をみなぎらせ、スポーツジムへと足を進めた。