だって、聞こえなかったから!
高校2年生にもかかわらず、身長145センチ。成長期がまだきていなくて、毎日苦手な牛乳を飲んでいるという有村。
……その隣にいるのは、私。
スポーツをやっているわけでもないのに、身長175センチ。中学1年生のときは150センチあるかないかだったのに、ぐんぐん伸びてしまった。
有村と知り合ったのは中学1年生。そのときから、私の方が大きかったわけだけど。
「お前がでかすぎるから、俺の声が聞こえないの!」
「有村がちびすぎるんじゃないの~?」
ケラケラ笑ってからかうと、ムッとしたようにほっぺたを膨らましていた。
「あと、私にもちゃんと名前があるの!」