[短]デザートは苺の唇
航くんは親指でそっと涙を拭ってくれた

その指が温かくて優しくて、また涙が溢れた

「苺、なんかあった?」

子供をあやすように、ん?と首を傾げながら
私の答えを待ってる

ダメだよ、航くん

彼女以外に優しくしたら、勘違いしちゃうんだよ?

「ごめんね、コンタクト擦れたみたい。ほら、私、
ハード使ってるから、よくあるんだよね、こういうの
だから、大丈夫。全然平気だよ」

航くんはあきらかに不機嫌な顔をした

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