彼氏以上、オット未満
昴が私の実家に来てくれた翌日、今度は私が大阪の昴の実家を訪ねた。


大阪へ向かう新幹線で、何も食べられなかったほど緊張していた私を、昴はずっと笑わせたり和ませたりしてくれた。


「あんな、うちのオトンとオカンは、ほんまに普通やで。


笑いとか求めんといてな。


せやから、メグも緊張せんで平気やで」


「う、うん」


昴のお父さんとお母さんはとっても気さくでいい人で、うちのお母さんとは真逆に大歓迎してくれた。


「あらー恵ちゃん、写真よりべっぴんさんやないの。


ほんまに昴でええの?」


「こんなかわいらしい娘ができるなんて、俺は幸せもんや」


「恵ちゃん、もっと食べてな」


「恵ちゃんは東京育ちなんやろ?


やっぱり品があるわ、かわいらしいし、いつでも結婚して構わへんで、なあ母さん」


私は相づちをうつのが精一杯で、常に誰かがしゃべっていて、とてもにぎやかだった。


その日は大阪のホテルに泊まり、翌日待ち合わせして観光してから、私だけ東京へ戻ることになっていた。


昴の実家を出て、ホテルまで送ってもらった。


部屋に入ったとたん、昴は後ろから抱きしめてきた。


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