番外編『目が覚めたら、昨日より愛しいキスをして』
「その顔、たまらない」
──3年後。
私はこの春から大学1年生になった。
上京し、マンションでひとり暮らしをしている。
東京の大学を選んだのには、少しだけ不純で、とてつもなく重要な理由がある。
それは。
『それでは、みなさまお待ちかね。
ゲストの弘中明希さんの登場です!』
リビングのテレビから聞こえてくる声に、私は夜ご飯を作る手を止めた。
あ、もう7時だ。
急いでキッチンを離れ、テレビの前に正座する。
録画はしているけど、リアルタイム視聴は欠かせない。
『今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人気ですね!』
『はは、ありがとうございます』
司会者に向かって、完璧な笑顔を返す明希ちゃん。
……相変わらずかっこいい。
何度見ていても、つい惚れ惚れしてしまう。
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