番外編『目が覚めたら、昨日より愛しいキスをして』


拍子抜けするような理由が可笑しくて、声をあげて笑っていると、そんな私に驚いたように目を丸くしていた明希ちゃんが、ふっと目元を緩めた。


「未紘がそんなふうに笑ってるとこ、初めて見たかも」


「え?」


たしかに、こんなふうに吹き出して笑うのなんて、初めてかもしれない。


明希ちゃんと出会わなければ、こんなふうに笑うことも泣くことも大声をあげることも、多分ずっと忘れたままだった。

いろんな感情を教えてくれるのは、いつも明希ちゃんなんだ。

< 12 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop