番外編『目が覚めたら、昨日より愛しいキスをして』


「な──」


反射的に発した私の声が、どこかで途切れた。

だって、横向きになった私の目の前に、同じく横向きに横たわった明希ちゃんの端正な顔が映り込んだのだから。


不意に明希ちゃんが、表情を崩さないまま私をまっすぐに見つめて唇を開いた。


「今すぐ会いたい。ずっと抱きしめていたい。キスしまくりたい。名前呼んでほしい。よく食べるところを見ていたい。他の男に見せたくない」


「え?」


「CMの撮影中、考えてたこと。
不真面目って思われるかもしれないけど、いつだって君のことしか頭にない」


思いがけない言葉に、声を詰まらせる。

心臓がどうしようもなく揺さぶられる。


そんなふうに想っていてくれたなんて。


……ああ、きっと今、私の顔は目も当てられないほど真っ赤だ。

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