眠らぬ姫に不正解な祝福を。
眠らぬ姫に不正解な祝福を。


祝福だとか、呪いだとかそんなの裏を返せばその言葉達は同じ意味にしか聞こえない。


そんな幼い頃から抱いてきた想いは今も変わらず、胸に根を生やして考えを曲げようとはしない。


12歳の誕生日に私はあの謁見の間で、知らない大人達から輝かしい宝石に魔法の力やらなんやらを貰った。


美しく育つ魔法とか優しい心が芽生える魔法だとか、今考えたらただの大人達が望む善を蓄えた人造人間にしかならないような魔法ばかりだった。


そして悪い魔法も贈られるのは、おとぎ話では定番だろう。


呪いがかかっている状態で外に出たら私は死んでしまうという呪いがこの身にかかっている。


それを解くのは、王子様や勇者という存在だと言うが呪いを受けて早7年経つが、今日もその姿は見られない。





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