眠らぬ姫に不正解な祝福を。
その解放は一体何を意味するのか、それを聞くのが少しだけ怖い。
狭い狭いこの空間だけど、私はイスターと毎日一緒に過ごして幸せだった。
それが終わるなら、本当にここに縛り付けられる呪いをかけてほしい。
「マイラ様」
「……」
「俺と、共に生きませんか。誰にも邪魔されずにゆっくりと生活できる場所で」
真剣なその声に自然と体がぴくりと反応した。
聞いたこともないイスターのその声に、何故か体が熱くなる。
その熱を感じたのかイスターが私の耳元でそっと囁いた。
「愛しています、マイラ様」
「……っ」
熱のこもったその言葉に、私の体は痺れていく。
イスターは私の耳を甘噛みしながら、首筋へと動かしていく。
我慢出来なくなって少しだけイスターから離れると、すかさずイスターは私の口を塞いだ。
「こんな祝福いらないですか?」
「いらないわけ……ない……」
「じゃあ、もうこれからずっと離しませんから」
そう言って甘い甘いとろけるようなキスをした。
たくさんの祝福なんかよりも、私はこの人のからのたった一つの呪いで十分だ。