強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛旦那様になりました。(番外編)
プロローグ
プロローグ
清々しい春空を見つめ、千春は緊張した気持ちを落ち着けようとした。
今日はずっと準備をし、夢に見ていた憧れの日。
千春の頭には思い出のティアラ、そして首元にはキラキラ光る「one sin」の桜のネックレス。
純白のプリンセスラインのドレス。胸元は綺麗な花の刺繍があり、後ろの裾はとても長く動く度に華やかに揺らいだ。
綺麗にメイクされた顔を何度も鏡でチェックをしていると、ずっと待っていた彼が部屋へと来てくれたようだった。
コンコンとドアがノックされ、千春が「はい。」と返事をすると、秋文が入ってきた。
白いタキシードを着た秋文が入ってくると、千春は秋文に恋をし始めた頃のように、大きく胸が高鳴った。
今でも大好きな彼。だけれど、こんなにドキドキしたのはきっと初めてのようだった。
付き合ってから数年が経つのに、彼はいつでも千春にときめきをくれるのだ。
千春が見惚れてしまっていると、秋文はゆっくりと近づいていきて、千春の目の前で少し恥ずかしそうにしながら見つめきてくれた。
「………定番の言葉は言わないって決めたけど、この場に立つとそれが1番なんだってわかった。」
「秋文?」
「綺麗だ。俺の花嫁が、きっと誰よりも綺麗で可憐だ。」
いつもならば、そんな恥ずかしい言葉を言わない彼なのに。千春は驚きながらと、嬉しさと恥ずかしさと、幸福感で泣きそうになってしまった。
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