強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛旦那様になりました。(番外編)
3話「決意」
3話「決意」
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千春を求める感情が我慢出来なくて、彼女を求めすぎてしまう事がよくあった。
付き合い始めは、やっと自分の物になってくれたという気持ち。そして、慣れてくれば千春の方が甘えてくれるようになり、嬉しくなってしまった。
そして、離れた期間があったからか、結婚する前も、求める感情は止めることはなく高まるばかりだった。
今もそうだ。
夫婦という形になり、誰にも取られないという特別な関係になったのが幸せで、それをもっも実感したくて、肌と肌とを合わせたいと強く思っていた。
「要するに、付き合い始めてからずっとなんだよな……。」
秋文は、隣で眠る彼女を見つめて起こさないように優しく髪を撫でた。
事後は少し話した後に、彼女はいつもコロンと寝てしまう。そして、もたれるように自分に寄り添ってくれるのが、秋文は堪らなく嬉しかった。
「こんな俺をおまえが選んでくれた事が、今だに信じられないんだ…………。」
出会った瞬間から千春に惹かれるものがあり、すぐに気になる存在になった。
毎日一緒に過ごしていくうちにそれは好意になって、片想いが続いた。
あまりにも長い時間、自分だけが彼女を好きだったので、きっと片想いのまま終わって、1番好きな女性とは結婚出来ないのだろうと、半分諦めていたのだ。
けれど、その諦める気持ちを捨てたら、彼女は自分を好きになってくれた。
自分の気持ちを受け止めて、そして好きだと言ってくれる。それが、今はとても幸せなのだ。
だからこそ、彼女が知らない男に声を掛けられたというのを聞くと、激しく動揺してしまう。
昔から千春はモテていたし、ナンパなんていつもの事なのだろう。先ほどの会話でも、それが伺われた。秋文もそれはわかっているはずだった。
それなのに、実際に本人の口から言葉に出されると、どうしても心配になり、そして嫉妬から激しく怒りの感情がわいてしまったのだ。
そして、それをぶつけるように彼女に言葉を浴びせて、そして激しく体を求めてしまう。
そんな自分が嫌で仕方がなかった。
もっと彼女を信じて、大切にしてやりたいと思っているのに。
「信じてほしい。」という彼女の言葉を聞いて、俺はこいつを信じてないのか?と動揺してしまう。
信じている。
けれども、俺よりも魅力的な奴が現れたら。そう考えると不安になるのだ。
これは信じてないという事なのだろうか?
今、ずっと考えているあの事を話したら、千春はどうするだろうか?