強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛旦那様になりました。(番外編)



 「ごめん、なさい………。秋文………。」


 千春は、ハッとして彼に抱きつきながら、ポロポロと泣いた。
 彼に酷い事を聞いてしまった。そして、彼の気持ちが全て伝わってきたのだ。

 秋文は、「何でお前が泣くんだよ。」と、笑いながら、優しく抱き締めてくれる。温泉の温かさよりも、秋文の熱くなった体温を感じる。
 鍛え上げられた体も、頭の中に入っている戦略も、すべてサッカーのために秋文が積み上げてきた物だ。
 そんな彼に抱きしめられながら、千春は泣き続けた。


 「俺の代わりに泣いてくれて、ありがとう。」


 少し震えている彼の言葉を聞いて、千春は更に涙が止まらなくなってしまったのだった。
 

 こんなのではダメだ。
 私がサポートする、と頼ってもらえるように、どーんと構えなければ秋文の奥さんらしくない。
 そう思っても涙は後から後から出てきてしまう。
 温かい涙は、温泉のお湯と混ざり漂っていた。



 


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