強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛旦那様になりました。(番外編)
いつもはそれで終わっていたのに、今は違っていた。何故か焦ってしまっていた。
けれどそれさえも見越していたのか、秋文は千春の手を掴んだ。
「秋文?」
「今日はもうおしまい。寝るぞ。」
「え!?でも、明日の朝の仕込みとか、洗濯物も畳まなきゃいけないし。」
「そんなの明日でいい。それに、明日の朝食なんて食えればいいよ。1日違うもの食べたからって、違わないんだ。」
「そんな……。」
リビングで、これからの献立をいろいろ考えていた千春は、秋文に手を引かれるままに、ずるずると寝室へと運ばれてしまった。
「まだ22時だよ?」
「ダメだ。俺から逃げたら怒るからな。」
秋文はそういうと、千春を抱き上げてベットに横にして寝かせた。
そして、部屋の電気を消すと、自分もベットに入り、逃がさないと言わんばかりに、正面からギュッと千春を抱きしめたのだ。
「とりあえず、今日は休め。……千春、お願いだ。」
「…………わかった。ありがとう、秋文。」
彼の切な言葉を聞いてしまうと、千春はもう断ることは出来なかった。
秋文にそんなにも心配させてしまった。
そう、反省し彼の胸に顔を寄せて目を閉じながらも、「明日は少し早く起きて……準備しないと。」という事ばかり頭で考えていた。