強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛旦那様になりました。(番外編)
『それより!本当にかっこよかったのよ、秋文さん。』
「え?」
喧嘩をしたのに、何がかっこいいのだろうか?千春は、理解出来ずに菅井の話しを待った。
『なんか、駿さんが千春の悪口を言ってふっかけてみたいで。本当にあの人最低よね。……そしたら、秋文さんが「おまえは千春の何を知ってるんだ!」とか、「サッカーより会社より千春の方が大事なんだ。」って言って殴りかかろうとしたり。とにかく、めちゃくちゃかっこよかったぁー!見ていた女性社員は、感動したって言ってた。』
菅井の話を聞きながら、千春は嬉しさと恥ずかしさで顔を赤く染めた。
きっと、駿は千春に話さたような事を言ったに違いない。それを聞いて怒ったのだろう。
彼がどんな風に怒り、駿に迫ったのかわからない。
けれど、「サッカーよりも会社よりも、千春が大切」と言ってくれたのが嬉しかった。
手を出してしまうのはダメだけれど、必死になって、千春の気持ちを伝えようとしてくれたのが、伝わってきて、千春は思わずうるうるとしてしまう。
「そんな事を秋文が言っていたなんて……。」
『千春、愛されてるわね。』
「そう、だね。………ありがとう。」
仕事中だった菅井は、すぐに電話を切らなければならず、千春は騒ぎになってしまった事を謝罪した。
千葉にも迷惑をかけた事を電話をした。千葉は全く気にした様子もなく「お菓子ご馳走様でした。」と言っただけだった。
電話を切った後、千春は涙を拭いてから立ち上がり、そして椅子に座ってPCの前に座った。
「よしっ!仕事頑張って終わらせて、とびきりの夕食作るぞ!」
千春は、髪をまとめ直してやる気を出して、仕事を進め始めた。