強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛旦那様になりました。(番外編)
「なぁ、立夏。そろそろ、告白の返事をくれないか。もう何年も待ちわびてるんだ。」
「……もう言わなくてもわかってるくせに……。」
「立夏の言葉で聞きたいんだよ。」
「……それは………。」
立夏はまだ、自分の気持ちがわからなかった。
出が好きなのだろうか………?
確かに、今日出が来ないと思ったら悲しくて、会いたいと思った。それにそれまで彼女の話しをしなかった出が、急に写真を見てしまい動揺したのも確かだった。
けれど、それは、彼を好きという事になるのだろうか?
立夏は、迷ってしまった。
「立夏、俺と付き合ってくれないか?」
「……出、私、自分の気持ちがまだわからないの。出に今日会えなかったらって思ったら寂しくて仕方がなかったし、知らない女の人に嫉妬もしたし………。」
「そうか。けど、それだけでも、俺は嬉しいしな。そんな事、立夏に言われたことなかったから。」
「そうだけど、それでいいの?」
「必ず立夏に俺が好きだって言わせて見せるよ。だから、今はそのままでいいから。恋人みたいに、一緒にいてくれないか。もちろん、立夏が嫌がる事はしないから。」
「それだったらいい、かな。」
立夏が赤くなって、彼を見上げながらそう言うと、出はすぐに立夏を抱きしめた。
彼の熱と匂いに包まれて、立夏は恥ずかしさから身をよじらせた。
「ちょっとー!出、痛いよっ!」
「やっと立夏とこんな事が出来るようになったんだ、少しだけ堪能させてくれ。」
「もぅ………。」
耳元で出の低音の声が響いた。
それだけで、気持ちがドキドキして、緊張してしまう。
立夏はわかっていた。
きっと、近い将来、彼を好きになっているだろうと。
自分の事だ、立夏がよくわかっている。
彼の腕の中で、甘い時間を堪能していたかったけれど、1つ気になることがあった。
それがどうしても気になってしまい、彼にキツく抱きしめられているなか、顔だけを上げて、出を聞いてみた。
「そう言えば、今更だけど……あの写真の女の子は?ファンの子?」
「それは………話そうと思っていたんだけど、怒らないか?」
「ん?」
出の話しを聞いた立夏は、その後、夜中にも関わらず千春に電話をして説教をしたのは言うまでもなかった。