強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛旦那様になりました。(番外編)
「いつか、若い子みたいにWデートしてみたいね!相手変えたりして!」
「……それは無理。」「それは………どうかな?」
「え…………。秋文と出は嫌なのー?」
千春の提案にすぐに反対したのは、男性2人だった。
少し憧れていたので、千春は残念に思ってしまう。
「なんでー?出は、私とデートするの嫌なのー?」
「そういう訳じゃないよ。立夏を秋文に渡すのが心配なだけだ。」
「なんだよ、それ。……手出すわけないだろ。」
「………何よ。私じゃ相手にならないってこと?」
「趣味は合うだろけど、1時間ぐらいでケンカになりそうだろ?」
秋文はそういうと、何故か楽しそうに笑った。それは、秋文が仲がいい男友達などに見せるあっけらかんとした、爽やかな笑みだった。
千春にはなかなか見せてくれない。きっと、千春より長い付き合いの立夏だからこそ見せる、笑顔。
千春は、それを見て少しだけ立夏が羨ましいな、と思ってしまった。
「確かにそうね。私と秋文なら、それ以上はケンカになりそうだわ。」
立夏も何かが吹っ切れたように、笑っていた。
千春は、何があったのかわからなかったけれど、立夏の悩みがなくなったように思えて、ホッと安心してしまった。
「じゃあ、私は千春とデートするから、男2人はご自由に!」
「「なんで、そうなるんだ………。」」
そんなやりとりを四季組の4人が大人になっても出来る。
その幸せを感じながら、千春は4人で楽しい時間を過ごしていた。
………けれど、それの雰囲気は1本の電話のせいで台無しになってしまう事になるのだった。