強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛旦那様になりました。(番外編)
「悪かった。あんな思いをさせて。」
秋文が言っているのは、報道陣に囲まれてしまったことだろう。何も悪いことをしていないのに、犯罪者のように強い質問をされ、問い詰められるのは確かに恐くてしかたがなかった。
けれど、それぐらい我慢出きる。
大切な旦那様のためならば……。
「ねぇ、秋文。私は大丈夫だよ?あんなの平気だから。」
「そんなはずないだろ。おまえは何もしてないんだ。……こんな状態、早く終わらせるから。」
「………秋文。これからどうするか決めたの?」
千春は、彼の傍から体を話して彼を見上げる。
けれど、彼はこちらを一瞬見た後、すぐに視線を窓の外の夜景を見つめた。
しばらく、何かを考えた後、ポツリと言葉を洩らした。
「………上からの提案で、日本代表のリーダーだけ降りたらどうかと言われたよ。それなら、日本代表でも変わらずにプレイ出来るし、世間を騒がせた責任もとれるんじゃないかって。」
「そんなっ………!」
「それが周りにも、お前にも、迷惑かけないですむ方法なのかもしれない。」
「秋文は、それでいいの?」
千春が少し強い口調でそういうと、秋文はやっと千春の方を向いてくれた。その表情は、切なく、そして困った時のものだった。
「………それが1番なのかもしれない、とは思ってるよ。」
諦めたように言う秋文を見て、千春は頭に血がのぼるのを感じた。