偽りの甘い罠
雅人さんはあの一度きりで二度目に電話をくれた
ときは、いつもの雅人さんだった

でも、私は怖くて言えなかった

”終わりにしましょう”とは、その後に起こることを
安易に想像できて、私は怯えていたのかもしれない

拗れて、腹いせに何かされるよりは我慢して、好きを
演じてる方がよっぽど気が楽


そう思って、本音を奥底に封じ込めた


それに、せっかく復帰しても、今度は雅人さんとの
関係が表沙汰になったら元もこうもない

そんなゴタゴタは御免だから。









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