偽りの甘い罠
またコイツは性懲りもなく、、、

箸ごと口に入れるなってー!
その箸を私が使うのよ、私がさー!

そういうとこ、本当デリカシーの欠片もないんだから。

まったく以て気にも止めずに、モグモグとりすみたいに
頬張る横顔に、ホッとする安心感が生まれた

「うまい。マジで!お前、見かけによらず料理出来る
よなー。」
「ひと言余計なんだけど!」
「誉め言葉だろーが。有り難く受け止めろ」
「はいはい。ありがとーございますー。」
「可愛げねーな、お前は。」
「悪かったわね。可愛げなくて。」
「俺は嫌いじゃないぜ。お前のそういうとこ。」
「はぁ?なにそれ。」

青柳の前では飾る必要がない

それが今の私にとって、かけがえのない存在

好きとかそんなんじゃなくて、、、

よりどころのようなもの。


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